お腹が出てきた
寝てもスッキリしない
うつっぽい
いつもだるい
現代を生きる人は誰しもが抱えているこの悩み、実は現代人特有のある『病気』のせいかもしれません。
その『病気』について教えてくれるのが今回紹介する
鈴木裕さん著の
『最高の体調』
です。
結論からいうと
現代人が罹っている病気の正体は
『文明病』です。
今回は僕がこの最高の体調を読んで、印象に残った部分と最後に自分が感じたことを紹介します。
最終的にはめっちゃシンプルな結論に至りました。
進化医学に基づいて理論的に説明してくれるこの本
とてもおもしろいのでめちゃくちゃおススメです!
現代人が抱える悩み、そのたったひとつの原因は【文明病】
この本を開いてまず書き出しの文で心をつかまれます。
内容は1995年にワシントン州の牧師、ボブ、ムーアヘッド氏が
『現代の矛盾』というエッセイからの抜粋が紹介されます。
・私たち人間は、長大なビルを作りあげたが、いっぽうで気は短くなった。
・道路を広くしたわりに、視野は狭くなった
・お金を使っても身につくものはなく、ものを買っても楽しみは少ない
・家は大きくなったが、家族との関わりは小さい
・便利になったのに、時間はない
・専門家が増えても、それ以上に問題が増えた
・薬は増えたのに、健康な人は減った
『私たち人間は、酒を飲みすぎ、タバコを吸いすぎ、時間をムダに過ごし、少ししか笑わず、毎日を急ぎすぎ、怒りすぎ、夜更けまで起きすぎ、目覚めたらすでに疲れている』
(一部を抜粋して要約)
どうですか?
耳の痛い言葉もありますが現代を表していると言えます。
しかもこのエッセイは1995年のものなのでここから30年近く経っているので
この現象はさらに加速していると言えます。
僕はこの文章にものすごく共感しました。
便利になったのに時間はないし、薬や知識は増えているのに不健康。
まさに今の自分を表しています。
この『最高の体調』ではこの矛盾点に対して進化医学の観点から
現代人は文明と進化のミスマッチを起こしている
と仰っています。
そしてそのミスマッチによる病気を『文明病』と名付けられています。
【文明病の正体は慢性炎症】~人体のベースは狩猟採集時代~
なぜ文明と人体の進化のミスマッチが起こるかというと
人体は狩猟採集時代の過ごし方がベースになっているからです。
というのも人間が服をきて、車に乗り、いつでもどこでもご飯を食べられるようになったのは
多くてもここ100年くらいに起きている出来事です。
つまり人体の構造は狩猟採集時代の
・移動は歩く(毎日運動する)
・食事は限られている(カロリーは出来るだけ蓄えようとする)
・夜は真っ暗(良質な睡眠)
に合わせて出来ているので、ここでミスマッチが起こることで
・肥満
・不眠
・うつ(不安)
という現代人の多くが抱える悩み、つまり『文明病』を起こしていると説明されています。
そしてその文明病を引き起こす要素として『炎症』だと言われています。
炎症というのはヒトの細胞レベルで起きる火事のようなもので、多くの研究により、鬱や肥満、糖尿病といった様々な不調の原因だと考えられています。
そして炎症を引き起こす原因として古代と比べて
・多すぎる
・少なすぎる
・新しすぎる
ものがあるとされています。
ざっと挙げると
多すぎる
・摂取カロリー
・精製穀物
・アルコール
・乳製品
・塩分
・満腹感
少なすぎる
・有酸素運動
・筋肉を使う運動
・睡眠
・空腹感
・ビタミン、ミネラル
・食物繊維
・タンパク質
新しすぎる
・加工食品
・トランス脂肪酸
・人工照明
・デジタルデバイス
・インターネット
・慢性的なストレス
※一部を抜粋
そして大事なのは炎症というのはダメージの修復作業時に起こるということ。
一例として
多すぎる摂取カロリーと少なすぎる運動、そして新しすぎる加工食品によって蓄えられた内臓脂肪を排除する為に戦って炎症
または、多すぎるアルコールと少なすぎる睡眠、そして慢性的なストレスによるうつと戦うために炎症
現代人はこの多すぎて少なぎる且つ新しすぎるものにさらされることで様々な炎症を起こしています。
炎症と言っても細胞レベルなので気づけません。
謎の体調不良、それは慢性的な細胞レベルの炎症だったんです。
ではこの炎症を抑える為にどうすればいいのか?
について事項より紹介します。
【対策①】腸を整える~腸は免疫システムの要~
まずは腸を整えましょう。
腸は消化器官としての役割だけでなく、全身の健康のためにも重要な臓器です。
免疫機能の70%は腸に集まっているとされています。つまり免疫システムの要です。
その腸が正常に働いていない様々な炎症を引き起こします。
ポイントは整えてからいたわることです。
まずは整える為に風邪とかで病院に行った時に処方される【抗生物質】は控えましょう。
抗生物質とは腸内細菌を殺す物質ですが、良い菌、悪い菌問わず殺してしまいます。(腸内の3分の1の菌が死滅する)
しかも一度死んだ細菌が元に戻るまで半年はかかると言われています。
つまり、半年に一度風邪をひいて病院に罹って抗生物質を摂っていたら腸内の細菌は常に3分の1死滅している状態になります。
基本的に良い菌、悪い菌に触れて免疫が強くなるので抗菌や殺菌にも注意です。
腸を整えたら次はいたわりましょう。
腸内細菌のエサとなる整腸剤や食物繊維を積極的に摂りましょう。
腸内細菌のエサとなるもの
・整腸剤(ビオフェルミン)
・りんご
・キムチ、納豆等の発酵食品
・キノコ類
・ごぼう
等々
【対策②】環境を設計する~現代はローマ時代と酷似している?
インターネットの発達のおかげで現代人は常に【興奮】と【脅威】にさらされ続けています。
そして本書ではこの状態は古代ローマ時代と酷似していると指摘されています。
古代ローマ帝国の時代では莫大な富が国内に流れ込んでいた為、ローマ市民には食料と娯楽がタダで提供されました。
そう「パンとサーカス」の時代です。
快楽の追及はエスカレートしていき、やがてローマ人は食べたものをいったん吐き出したて胃袋を空にして食事を摂っていたと言います。
さらにいつもの食事では飽き足らず、キジの脳やフラミンゴの舌といった珍味を貪っていたそうです。
吐くほど食事を摂り、コロシアムでグラディエーターの戦いを観戦する。
しかし一方で、定期的な奴隷の反乱や北方のゲルマン人による侵攻が頻発しており、ローマ市民といえども安定した暮らしを謳歌できていたわけではありませんでした。
この点から見れば、古代ローマは歴史上もっとも「興奮」と「脅威」の振れ幅が大きかった時代といえます。
ここで現代について考えてみます。
商業施設にカラオケ、夜になっても光り続けている街、24時間いつでもすきな動画が見れる「興奮」と
対人関係のストレスや経済的な問題による不安という「脅威」
古代ローマほど極端ではないですが、「興奮」と「脅威」を繰り返している現代はまさに古代ローマ帝国と酷似していると言えます。
ではどうすればいいのか?
それは正しい環境を設計することです。
グーグルの実験ではドリンクバーの近くにスナックを置く時と離れて置く時でスナック菓子に手を伸ばす確率の違いが如実に出たと言います。
また、食堂の入り口にサラダバーを置いた時と離した時で野菜の摂取量が変わるということも明らかになっています。
要するに
環境設計を正しく行えば悪い習慣を避けて、いい習慣を手に入れることが出来る
ということです。
意思に頼るのはやめて、環境を正しく設計しましょう。
現代に最も必要とされる安らぎの時間について影響の大きい対策は自然と戯れることだそうです。
自然との触れ合いにより、人体の疲労を回復する働きがあるそうです。
しかもそれは画像や音声で味わうのもアリだそうで、近くに公園があれば散歩に行くも良し、今流行りのキャンプなんかもすごくいい影響があるみたいです。
文明病を避ける為の環境設計例
・ファストフード店が近所にないところに住む(加工食品を避ける)
・通勤は徒歩や自転車等にする(運動する)
・寝室にスマホを持ち込まない(良質な睡眠)
・パソコンのデスクトップは自然の背景にする(自然との戯れ)
・公園の近くに住む(自然との戯れ)
【食べ過ぎずに良く寝て運動する】最高の体調を手に入れる為にやることはシンプル
ここまで『最高の体調』に書かれている内容を自分なりに掻い摘んで紹介しましたが
詰まるところ
文明病の原因となっている、多すぎて、少なすぎて、新しすぎるものを減らすことが大事だと解釈しました。
要するに
食べ過ぎずに、良く寝て、運動できる環境を設計することです
このシンプルな対策について僕が感じたことは
「子供に対していつも言っていることじゃん」
と思いました。
外食やお菓子は控えているし、夜は早く寝なさいと言い、しまいには
「ゲームなんかしてないで外に遊びに行ってこい」
なんて言ってます。
子供っていつも元気じゃないですか?
もしかしたら子供が元気なのは年齢のせいではなく
余計なものを食べす、良く寝て、運動しているからなのかもしれません。
それに比べて自分はどうでしょう?
・なぜかいつも疲れている
・不安に駆られている
・イライラしている
・体型はだらしない
原因はもうわかっています。
多すぎる摂取カロリーと少なすぎる運動と睡眠です
一緒に住んでいる子供たちが出来て自分達が出来ない訳がありません。
繰り返しになりますが
『最高の体調』を手に入れる為に、正しい環境を設計して、日々を過ごしていきたいと思います。
科学的なデータに基づいて書かれた内容の濃い本
いかがだったでしょうか?
今回紹介したのはごく一部です。本書はもっとたくさんの目次で科学的に証明されたデータが紹介されています。
ローマ帝国の話にしてもそうですし、非常に興味の惹かれるおもしろい内容の本となっています。
ぜひ一度読んでみられることをおすすめします。