ここ最近『金融リテラシー』という言葉を頻繁に聞くようになりました。
主な要因としては
「老後2000万円問題」が背景にあると思います。
「老後2000万円問題」とは、2019年に日本の金融庁が公表した報告書において、老後の生活資金として約2000万円が必要とされたことに端を発する問題です。この報告は大きな議論を巻き起こし、自己責任による老後資金の準備の必要性が改めて認識されるきっかけとなりました。
その結果、個々人が自分の将来についてより具体的に考え、貯蓄や投資などで資産を増やす方法を学ぶことが必要とされるようになりました。
更にYOUTUBE等の各種SNSでインフルエンサーがカジュアルに発信出来るようになり、今まで金融知識と縁遠かった人でも気軽に情報にアクセスできるようになったこともあると思います。
ただ実際に資産運用をしている人がそこまで多くないのが現状です。
ではそれはいったいなぜなのか?
僕はこの問題の背景に日本人のデジタルリテラシーの低さが要因していると思えてなりません。
この記事では日本の金融リテラシーがなぜ上がらないのか?
その原因について個人的に思うことを書いていきます。
そもそもリテラシーとはどういう意味?【直訳すると識字率】
まずそもそも『リテラシー』とはどういう意味か調べてみました。
「リテラシー」は、元々は英語の "literacy" という単語から来ています
もともとは「読み書きの能力」、日本語で直訳すると『識字率』を指す言葉でしたが、
現在では「特定の分野や主題に関する知識や理解」を指す一般的な用語として使われます。
つまり特定の分野に関する知識がありそれを実行する能力だと言えます。
実行する能力という部分が大事です。
以下の記事で書いていますが、お金の勉強をするならネット銀行の開設が入口としては良いし、つみたてNISAとかするにもネットが基本です。
つまり、金融の知識を実行する能力すなわち
『金融リテラシー』を発揮する為にはある程度のネット知識、
つまり『デジタルリテラシー』が必要なんです。
デジタルリテラシーとは?【プロの人だけを指す言葉ではない】
デジタルリテラシーってプログラマーとか上級者の人のための言葉なのではないかと思う方もいるかもしれません。
しかしその感覚は少し誤解を招くかもしれません。
"デジタルリテラシー"は、確かに一部ではプログラミングのような高度なスキルを指す場合もありますが、基本的には誰でも必要な基本的な情報技術に関する知識やスキルを指す用語です。
たとえば、ワードやエクセルを使えること、インターネットで情報を検索できること、電子メールを使ってコミュニケーションが取れることなどは、デジタルリテラシーの一部と言えます。
これらは現代社会で働く上で、また日常生活を送る上で基本的なスキルです。
また、デジタルセキュリティに関する基本的な知識もデジタルリテラシーの一部と言えます。
パスワードの管理方法、安全なウェブサイトの見分け方、不審なメールの識別方法などを知っておくことは、オンラインで活動する全ての人にとって重要です。
ここで『デジタルリテラシー』について今話題のChatGPTに聞いてみました。
デジタルリテラシーとは?
①コンピュータの基本的な操作: キーボードやマウスの使用、ファイルの作成・保存・開く、インターネットのブラウジング、電子メールの送受信など。
②ソフトウェアの利用: ワードプロセッサ(Microsoft Wordなど)、スプレッドシート(Microsoft Excelなど)、プレゼンテーションソフトウェア(Microsoft PowerPointなど)をはじめとする一般的なソフトウェアの操作。
③インターネットとデジタルコミュニケーション: ウェブサイトの検索と閲覧、電子メールやソーシャルメディアを通じたコミュニケーション、オンラインでの情報検索、デジタルエチケットなど。
④セキュリティとプライバシー: パスワードの管理、安全なウェブサイトやメールの認識、個人情報の保護、コンピュータウィルスやマルウェアからの自己防衛など
⑤さらに上級のITリテラシー: プログラミング知識、データベース管理、ネットワーク理解、クラウドコンピューティングの利用、AIやブロックチェーンといった最新技術の理解など。
①~③までは多くの方が持っている立派なデジタルリテラシーだと思います。
⑤は明らかに上級者向けです。
僕が思うに④のセキュリティーとプライバシー。つまりネット検索した時の安全なウェブサイトの見分け方や個人情報の保護の部分のリテラシーの低さが際立っているように思います。
多くの方が実際に行動に移せないのも
インターネットを使うなんて個人情報が漏れるからなんか怖い。
といった印象を持っているからです。
ただ時代の進化は待ってくれません。
これからは嫌でもインターネットを使わないとどんどん時代についていけなくなります。
【文字が読めない?】デジタルリテラシーが低いとどうなるか?
デジタルリテラシーが低いまま時代だけが進化してくとどうなるか?
最近話題になっているマイナポイントの誤付与問題もこのデジタルリテラシーの欠如が背景にあると思えてなりません。
マイナポイントの誤付与問題は前の人が途中まで操作を行った端末で、ログアウトせずに次の人が操作してしまい、前の人のログイン状態のまま完結してしまったが故に起こった事象だそうです。
また他には申請に来た人の端末ではどうやらうまくいかなかたったことを憂慮した職員が自分の端末を渡してスマホ決済のポイントの申請をしたといいます。
これは上記の④セキュリティーとプライバシーの知識があれば確実に防げた問題です。
あとは自分が使っているスマホのGoogleアカウントやLINEアカウントのメールアドレスやパスワードを把握出来ていない(そもそも存在すら知らない)人が結構多い。
先日友人にLINEのデータってスマホ変えたらどうなるの?
と聞かれたのでアカウントとパスワードわかってればなんとかなるよ♪
と言ったところ、アカウントって何?
と聞かれましたし、また別の友人に楽天証券の口座開設を指南していたところ
楽天のアカウントがどうのこうのって出てるけど
アカウントってなに?
と聞かれました。
これからネットでつみたてNISAを始める人にまずアカウントとは?パスワードとは?
を教えなくちゃいけない。
まさに
じゃんけんを知らない人にあっち向いてほいのやり方を教えるようなもの
です。
今の世の中ググればなんでも情報が出てきます。つまり日本語を読むことができれば大抵の問題は自分ひとりで解決することができるはずです。
でも僕はよく人にクレジットカードやつみたてNISAのことを聞かれます。
僕にはそれが不思議でこの前妻にこのことを話してみると。
どうやらググっても
『日本語としては読めるけど理解出来ないからなにが書いてあるのかわからない』
と言われて衝撃を受けました。
結局デジタルリテラシーが低いと文字が読めないんです。
『リテラシー』=『識字率』
とはまさにこのことです。
使うことが一番の近道。デジタルリテラシーの入り口
デジタルリテラシーをつけるために必要なのは使うことです。
その入り口としておすすめなのが下の記事で解説しているネット銀行の開設です。
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ネット銀行の開設はお金の勉強を始める第一歩【ネット銀行の開設はメリットしかない】
続きを見る
ネット銀行の開設は自分でネットで行うので、いやでもITに触れることが求められます。
さらに楽天銀行なら楽天のアカウントをつくる必要があるので基本的なリテラシーが求められます。
ここで折れずにメモをとりながらでもなんとか自分で口座開設までしてしまいましょう。
ちなみにネット銀行の開設はデジタルリテラシーの向上だけでなくそもそも『お得』なのでかなりおすすめです。(詳しくは上の記事をご覧ください)
あとはスマホを格安SIMの乗り換えるというのも良い方法だと思います。
多くの格安SIM会社はネットでの申し込みがほとんどです。
下にコスパの高いIIJmioへの乗換え手順の記事を書いているので参考にしてみてください。
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家族で合計4回線契約!IIJmioへのMNP乗換え(転入)方法を事前準備からわかりやすく解説。
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時代の進化のスピードはけた違い。最低限のデジタルリテラシーはこれからの時代の必須条件
現代の資産運用には一定のデジタルリテラシーが必要となっています。
今日の金融サービスは大部分がオンラインで提供されています。
ひと昔前では無かったネット銀行、投資アプリ、仮想通貨取引所などがどんどん出てきています、これらを利用するには基本的なコンピュータ操作能力とインターネットリテラシーが必要です。
しかもこの記事でも出てきたChatGPTに代表されるAIの台頭も著しいです。
この流れは止まるどころかどんどん加速していくと考えられています。
したがって、
金融リテラシーだけでなく、デジタルリテラシーも同時に身につける
ことが、現代の金融リテラシーを上げる為の必須条件だといえると思います。
今回の記事では日本の金融リテラシーがなぜ上がらないのか?について
僕の経験談から考察しました。
参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。